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2004年9月30日 アメリカ ハーバード大学の講堂で、「Ig Nobel Prize Ceremony(イグ・ノーベル授賞式)」が開催された。そして授賞式の壇上に立つ1人の日本人。そう井上大佑である。
イグ・ノーベル賞とは直訳すると「愚かなノーベル賞」。「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられ、選考には本家ノーベル賞受賞者も加わる。<写真>授賞式会場のハーバード大学
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井上が受賞したのは「平和賞」。受賞理由は、「カラオケを発明し、人々が互いに寛容になる新しい手段を提供したことに対して。」つまり、カラオケで自分が歌う時には他人に苦痛を与え、また他人の歌を聞く時には、苦痛を耐え忍ばなくてはならない。その結果互いが寛容な心を持つことができるということだ。なんとユニークな受賞理由だろうか。<写真>キャンパス内のベンチでスピーチの練習中
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しかしユニークなのはそれだけではない。
まず旅費・滞在費の援助は一切無し。出席可能であれば来てくださいというスタンス。そして授賞式でメダルをもらうのだが、これがなんと「2004
Ig Nobel Prize Medal」とマジックで手書きされたアルミホイルの皿。ただし書いているのは本物のノーベル賞受賞者だ。<写真>司会者でイグ・ノーベル考案者のマーク・アブラハムさんと。井上の胸にメダルが輝く。
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この他にもらったのは選考委員のサインが入った賞状。そして副賞は「何か」が入った箱だった。井上は受け取った時に「えらい軽いな…」と思ったが、それもそのはず。中身はハーバード大学の空気だったからだ。ご丁寧に空気の成分表まで貼られており、思わずが笑ってしまう代物だ。<写真>副賞の「空気が入った箱」をプレゼンター(ノーベル賞受賞者)より受け取る。あまりの軽さに微妙な表情。
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今までに数々の取材や講演を経験した井上だったが、受賞スピーチの際、過去に経験したことのない感激に包まれる。場内の歓声、スタンディングオベーション。膝が震え、頭の中が真っ白になった。
主催者側が「イグ・ノーベル賞が始まって14年、スタンディングオベーションは初めてでしたよ。」と驚く。
それほど井上の発明は世界中の人々に影響を与えたということだろう。しかし井上はアッサリと否定する。 「僕にスタンディングオベーションしたんじゃなくて、カラオケに対してやと思いますよ。」
そして帰国後、関係者へ送ったお礼状の最後にこう綴った。「私の子供<カラオケ>が頂いた<平和賞>を、一生の宝物と思い、また誇りに思い大切にしてまいります。」<写真>授賞式ではスピーチだけでなく歌も披露。授賞式で歌ったのは井上が初めてだそうだが、これが大好評であった。
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